ディレクター不在で起こる「よくある失敗」:なぜプロジェクトは崩壊するのか?

クリエイティブディレクターのヨコタナオヤです。

「コンセプト × 戦略 × デザイン」を軸に、スタートアップや成長企業の新規事業開発、ブランディング、戦略設計を支援しています。プロジェクトを円滑に進め、成果を最大化するためのディレクションの考え方や実践的な手法をお届けします。

本記事【ディレクター不在で起こる「よくある失敗」:なぜプロジェクトは崩壊するのか?】では、「クライアント対応, スケジュール管理, チーム調整, ディレクション, ディレクター不在, プロジェクト失敗例, プロジェクト管理, 仕様変更, 期待値調整, 進行管理」について解説しています。(カテゴリ:エンドクライアントとの関係構築
目次

はじめに|ディレクターがいないと、なぜプロジェクトは崩壊するのか?

プロジェクトを成功に導くには、関係者全員の意識統一や適切な意思決定が不可欠です。しかし、ディレクター不在のままプロジェクトが進行すると、進捗が滞ったり、品質が低下したり、想定以上の工数が発生したりと、さまざまな問題が生じます。
「とりあえず進めていたら、手戻りが発生してスケジュールが大幅に遅延した」「クライアントの要望を無制限に受け入れ、どこまでが当初の範囲だったのか分からなくなった」といった経験がある人も多いのではないでしょうか。

ディレクターがいないことで発生する問題は、プロジェクトの進行に大きな影響を及ぼします。本記事では、ディレクター不在のプロジェクトで起こる「よくある失敗」とその原因、そしてディレクターが果たすべき役割と解決策を詳しく解説します。


1. ディレクター不在でよくある失敗

ディレクターがいない、または機能していないプロジェクトでは、以下のような失敗が発生しやすくなります。

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意思決定の遅れによるスケジュール崩壊

クライアントが求めるものと制作側のアウトプットの間にズレが生じたとき、誰がどのタイミングで調整を行うのかが決まっていないと、決定の先送りが続きます。その結果、方向性がなかなか定まらず、修正が繰り返され、スケジュールが大幅に遅れることになります。

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要件定義が曖昧なまま進行し、途中で方向転換が発生

プロジェクトの初期段階で要件がしっかり固まっていないと、途中で「やっぱりこの機能が必要だった」「デザインのテイストを変えたい」などの変更が発生しがちです。ディレクターがいないと、変更の影響がどこまで及ぶのかが整理されず、後から「もっと早く言ってくれれば」といった問題が発生します。

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クライアント対応の混乱

クライアントからのフィードバックや追加要望に対し、誰が対応するのかが決まっていない場合、プロジェクトチーム内で責任の押し付け合いが起こります。制作チームが直接クライアント対応をすることで、フィードバックが感情的になり、関係が悪化するケースもあります。

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制作チームが手探りで進め、無駄な工数が発生

ディレクターがいれば、「このフェーズでは何を優先すべきか」「どのタイミングでレビューを入れるべきか」を適切に指示できます。しかし、指示する人がいないと、各自が手探りで作業を進めることになり、完成間近になって「やっぱり違った」と大幅な修正が発生することになります。

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リリース直前に「このままでは出せない」となる

最終チェックを行う人がいないため、プロジェクトの終盤で問題が噴出することもあります。「このデザインはユーザーにとって使いにくい」「この機能は動作が遅すぎる」といった指摘がリリース直前になって初めて出てくることで、大慌てで修正を行い、スケジュールがさらに遅延することになります。


2. なぜプロジェクトが崩壊するのか?

ディレクターがいないプロジェクトがうまくいかない理由は、「調整役がいない」「全体最適を考える人がいない」「意思決定がスムーズに進まない」 の3つに集約されます。

理由1:調整役がいない

クライアントの要望と制作チームの意向を調整する役割を担う人がいないと、クライアントの要望が無制限に受け入れられ、制作チームが疲弊する状況が生まれます。また、クライアントの期待値が管理されず、「これも対応してくれるはず」と無理な要求が増えていくことになります。

理由2:全体最適を考える人がいない

各チームが自分たちの業務に集中するのは当然ですが、プロジェクト全体を俯瞰して見る視点がないと、バランスが崩れます。例えば、デザインの完成度を追求するあまり開発のスケジュールが圧迫される、あるいは新機能の追加に時間を取られすぎて本来の目的が見失われるといった問題が起こります。

理由3:意思決定がスムーズに進まない

ディレクターがいれば、プロジェクトの方向性がブレそうになったときに軌道修正を行い、適切な判断を下すことができます。しかし、ディレクターが不在だと、「誰が最終判断をするのか」が不明確になり、議論が堂々巡りになってしまうことが多くなります。


3. ディレクターがいれば防げる問題とは?

下記のポイントを押さえた適切なディレクションがあれば、上記のような問題は回避できます。

POINT

要件定義を固め、仕様変更を適切に管理

プロジェクト開始時に、ディレクターが要件定義を丁寧に行い、スコープを明確にすることで、途中で「やっぱりこうしたい」といった変更が起こりにくくなります。また、変更が発生した場合でも、「どのくらいの工数がかかるのか」「納期や予算にどんな影響があるのか」をクライアントに説明し、適切な調整を行うことができます。

POINT

クライアントとの適切なコミュニケーションを確立

ディレクターがいれば、クライアントとのやり取りをスムーズに進めることができます。「この修正は本当に必要か」「この要望はどのようなビジネス的な背景があるのか」を整理し、制作チームとクライアントの間で適切に調整する役割を果たします。

POINT

スケジュール管理を徹底し、納期を守る

ディレクターは、スケジュールを細かく管理し、各工程ごとに確認ポイントを設けることで、「最後になって大幅な修正が必要になる」事態を防ぎます。クライアントのレスポンスが遅れそうな場合も、事前にリマインドを行い、プロジェクトが滞るのを防ぐことができます。


まとめ

ディレクターが不在のプロジェクトでは、意思決定の遅れ、仕様変更の増加、クライアント対応の混乱、無駄な工数の発生といった問題が生じやすくなります。こうした問題を防ぐためには、ディレクターを配置し、プロジェクト全体の舵取りを任せることが重要です。

  • クライアントと制作チームの橋渡し役を担い、適切な意思決定を促す
  • 仕様変更の影響を整理し、適切に管理する
  • スケジュールを徹底管理し、納期遅延を防ぐ
  • 全体最適の視点を持ち、プロジェクトの成功率を高める

適切なディレクションがあれば、プロジェクトの混乱を最小限に抑え、スムーズな進行を実現できます。ディレクターの役割を軽視せず、プロジェクトに最適な体制を整えることが、成功への鍵となるでしょう。

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記事執筆者

ヨコタナオヤのアバター ヨコタナオヤ Creative Producer / Strategic Designer

1990年生まれ、大阪府交野市出身。東京・文京区在住。元植木屋。
「戦略 × デザイン」 の視点を活かし、多様な業界の新規事業開発・ブランディング・マーケティング・プロダクト開発に携わる。ブランドのアイデンティティ構築や戦略設計、特別化を軸にした事業成長の仕組みづくりを得意とする。
スタートアップから大手企業まで、事業戦略の策定から実装支援まで一貫して伴走し、ブランドストーリーの構築、プロダクト開発、デジタルマーケティング戦略を手掛け、持続可能な成長をサポート。
また、合同会社コラレイトデザインの代表としてビジュアルデザイン・Web制作・マーケティング支援を行うほか、一般社団法人社会構想デザイン機構では、社会課題にフォーカスしたクリエイティブアプローチにも積極的に取り組む。

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